「Fit(ぴたっと密着)&Formulation(こだわり成分)」で皮膚の健康を保つ
「Fit(ぴたっと密着)&Formulation(こだわり成分)」。これはストーマ周囲の皮膚トラブルを防ぐシンプルな足し算です。ここでは、ストーマ周囲の皮膚を健康に保つ基本的な考え方をご紹介します。
ストーマ周囲の皮膚の健康にとって大切なこと。
大切なのはシンプルかつ効果的な足し算です。「Fit(ぴたっと密着)&Formulation(こだわり成分)=ストーマ周囲の皮膚の健康」とは言い換えれば、ぴったり密着・追従する面板形状と適切な成分により排泄物による肌トラブルを防ぐということです。
「Fit(ぴたっと密着)&Formulation(こだわり成分)」 どちらも大切な要素
この足し算は、そのまま「面板に求められるのは、ストーマ周囲にぴたっと密着・追従し排泄物の潜り込みを防ぐことが出来る形状と、皮膚保護剤の適切な成分配合により健康な肌を保つ手助けをすること」を意味します。高い密着性と、肌の健康を考えた成分を組み合わせた装具を使えば、漏れへの不安や肌の違和感が軽減され、快適な日常生活を送れるようになるでしょう。
「ぴたっと密着」させるには
ストーマ周囲に使う保護剤は、快適さと同時に漏れを防ぐことに長けた製品を選ぶことが重要です。ストーマには個人差があり、特に造設術後の6週間はサイズが小さくなることが考えられますので、頻繁にサイズを測るようにしましょう。測定はサイズが安定するまで続け、皮膚トラブルが起きたり、体重の増減があったりした場合には再度測定をします。面板は、面板の孔(穴)とストーマとの隙間が開きすぎないものが最適です。ぴったり密着させるには、ご自身のストーマのサイズに適した面板を使うことが大切です。
面板にはたくさんの種類がありますので、ストーマ造設術後、医療従事者と相談しながらご自身に合ったものを選びましょう。 面板の選び方,のページも参考にしてみてください。
「こだわり成分」の選び方
皮膚保護剤の材料には粘着性、耐久性、吸収性が求められるのはもちろん、肌の環境を整え健康な皮膚の育成を促すようこだわって、しっかり配合されたものでなくてはなりません。
ぴったり密着させることも大切ですが、適切な成分が配合された皮膚保護剤を選ぶこともまた、ストーマ周囲の皮膚の健康を維持する上で大変重要です。2018年に発表された報告では、 セラミド配合 の皮膚保護剤を使用したストーマ保有者で、皮膚の合併症(PSC)減少について有意な差が認められました。セラミドとは、もともと肌に存在している脂質成分で、肌を乾燥から守ってくれる成分のことです。面板だけでなく、皮膚保護剤の成分についても医療従事者と相談の上、健康な皮膚の育成について確かな裏づけのある製品を選ぶことをおすすめします。
Colleen Drolshagen は、35年以上、患者様に向き合ってきた臨床経験を持つ皮膚・排泄ケア認定看護師(WOC)です。Colleenは、先頃臨床の現場を離れ、現在はホリスター社にてWOC Nurse Clinical Researcherとして勤務しております。このキャリアチェンジにより、彼女は、一人ひとりのオストミー及びコンチネンスケア向き合っていきたいという情熱を継続しつつ、グローバルレベルで活躍することを実現しました。
*Colwell JC, Pittman J, Raizman R, Salvadalena G. A Randomized Controlled Trial Determining Variances in Ostomy Skin Conditions and the Economic Impact. J Wound Ostomy Continence Nurs, 2018;45(1):37-42.